宅地分譲における土地価格の妥当性の検証を依頼された事例です。
お客様の希望等
宅地分譲の土地購入を具体的に検討している。
閑静な住宅街にあり、最寄駅からも近い。
ロケーションもいいし、建築条件がなく建物プランも自由に設計できる。
とても気に入っているが土地の価格が適正なのか、また、建物の建築費も含めた資金計画に無理がないのか、自宅等の売却が前提となるので、資金計画も含めて相談したいとのご希望がありました。
宅地分譲価格の妥当性
ロケーションが良くいわゆる高級住宅街の一角であり、元々価格相場の高い地域です。
最初に相談を受けたときに、傾斜等の地形や道路付けを考えると、総額的に若干高い印象がありました。
周辺の取引事例、売出中の物件、地価公示価格、基準地価格や路線価等を確認し、価格比準や時点修正を加えて、当社としての査定価格を算出しました。
当社の査定価格からすると、分譲価格の単価は1割程度高いという結果になりました。
お客様と共に現地周辺を見学
お客様と一緒に現地周辺を歩き、現地の他、当社査定額の算定基礎となった事例や公示地・基準値等の場所をご案内しました。
ゆっくり時間をかけて、各物件の特徴や価格の根拠を説明させていただきましたので、お客様にも現地周辺の相場観をお持ちいただいたようです。
相場より割高でも、購入してもいい物件とは?
不動産の価格は需要と供給のバランスで決まります。
つまり、相場より高い場合でも、逆に低い場合でも、売主さんと買主さんが合意すれば取引は成立します。
ただし、相場より割高な物件を購入する場合には、相当な理由があります。
例えば、以前から検討していたエリアでどうしても欲しいとか、以前に住んでいた地域である、あるいは実家が近所にあるので馴染みがある等の理由です。
地縁性があることがポイントのひとつです。
無理のない資金計画であるか。
お客様の資金計画を考える際には、ライフプランとの関連をお尋ねしています。
将来設計を見据えた不動産の購入であるかという視点が大切だと考えるからです。
この事例では、ご自宅の売却の他、相続で取得した郊外の土地も合わせて売却する2物件のご売却が前提でした。
お買い換えの場合には、結果として売り急ぐ傾向にあります。
2物件ともタイミングよく、ご希望の価格で売却できることが大事なポイントのひとつです。
売却期間が長引いた時の「つなぎ融資」を借りる可能性があることや、ご希望の価格で売却できない場合にローン借入額を増額する可能性があることを念頭におくことが必要です。
お客様のご決断
お客様には、不動産取引に関わるリスクと、それに対する対応策を丁寧に説明させていただきました。
購入意欲が強い時には、リスクが見えにくくなる時があります。
不動産取引の際は、法務や税務の専門家、あるいはその分野に明るい不動産業者に相談しながら検討を進めることが大切です。